## 概要
この一年イクニ監督の作品を見まくっていたので,イクニ監督の新作『さらざんまい』を毎週見て,その時どう思ったか,どう考えたかを書いていきたいと思います.なお,無印セラムン・ウテナ・ピンドラ・ユリ熊・この話までの『さらざんまい』のネタバレを含みます.またほとんど自分用のメモなので,スクショを貼ったりしていない文章のみになります.
## 感想
ユリ熊11話やんけ……エンタがカズキをかばう未来は見えてましたが,思ったより早くて衝撃を受けましたね……エンタの気持ち,何もわかってなかった感があります.今まで「本当にカズキのことを思っているのなら,カズキの願いも叶えてやれよ!」という感じで見てたのですが,今回の話を見て自分のアニメの見方を間違えてたなぁというのを自覚し始めました.
イクニ作品では愛か欲望かという対比が顕著なので,特定の人物の性格が白か黒かという視点でしか見ていなかったのですが,実際には完全な黒とか白とかはないんだという事実をあまり考えてませんでした.エンタは基本的にカズキと一緒にいたいという自分の欲望を叶えるために行動している存在だと思っていて,実際そう捉えられる行動も多々とっているわけですが,カズキのピンチにはちゃんと身をもって守る,すなわち一緒にいることよりもカズキの幸せを願っている存在だったんですね……
チカイとエンタの会話のなかで,エンタの「どれだけ尽くしたって報われなかったら虚しいだけだ」というセリフに対してチカイが「それを決めるのはてめぇ自身だ,だったら楽になれる方を選べばいいだけのことだろ」というセリフがありましたが,最後の「だめだ……嘘でも言えねぇよ……嫌いだなんて……」というセリフは,嘘をついて楽になることができないエンタの純粋さがにじみ出ていていいシーンでもあるんですが,切ないですね……エンタは好きだということもできないし,嫌いだということもできないという……
エンタがカズキに「ちゃんと気づいてやれよ!」と叫ぶシーンがありますが,トオイの気持ちに気づいてやれよという意味だけじゃなくて,僕の気持ちにも気づいてくれよというメッセージが暗に含まれていそうな気がしてならないです.カズキはちゃんと気づいてやれよ……
今回の話はマブの生焼けのお菓子や,エンタとチカイの間で授受される飴,エンタが落とすソフトクリーム,カズキが潰したきゅうりなど食べ物がたくさん出てきていて意味ありげなんですが読み取りきれてないです.昔フード理論という食べ物をどう扱うかでそのキャラクターの扱いが分かるという話を聞いたことがあって,その話を絡めると面白い解釈ができそうな気もしますが時間もないのでこの辺にします.
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